<新シリーズ>(本編⑦−2)

〔レイバースケジューリング・システム〕事始め」

(本編・実務論②)全店、個別部門で、[時間帯]ごとに職務を見直す

〜[時間帯]思考は、店舗(部門)運営に革新を促し、結果として“職務の移動”“
  、“人時の移動” 結果としての“総人時の削減”という革新に繋がる行動と成
 果をたらす。
 [時間帯]は、“螺旋階段”状に昨日と明日、明後日へとつながっている。
 昨日の[夜間時間帯]が今日の[深夜時間帯]につながり、今日の[夜間時
 間帯]が明日の[深夜時間帯]につながっている。
 従って、一日(1日の営業時間)単位で(完結させて)店舗(部門)運営を
 考える(調整する)こと自体不自然ことに気づくのである。「前日の閉店前後
 [時間帯]では、もっと今日のために費やされるべきではないか!」
 「今日の閉店前後の時間は、もっと今日のために費やされるべきではないか!」

この考え方は、日単位、週間単位、月単位では、既に自然に取り入れられて
 いる。前週に準備して、今週売り上げて、翌週後処理をするというように。
 この対応の仕方を[時間帯]単位に落とし込んだらどうなるか。
 ある[時間帯]の性格付け(お客さまにとっては○○の時間帯だから、従業
 員は××を済ます時間帯・・、その前の[時間帯]の性格付けは・・という発
 想が)は生まれる。では、人の配置はそれに対応してどう変わるべきか・・・!?
 [時間帯]思考の店舗運営は、《24時間オペレーション発想》である。
 《24時間オペレーション発想》では、開店時刻と閉店時刻が“通過点”で
 しかなくなる。この認識の変化は店舗運営を考える上で大きい変化である。
 〜

◎[時間帯]分類

1日は、6つの[時間帯]に分類されます。
店舗運営の実務では、
[早朝時間帯](EARY-MORNING)〜04:00〜08:00〜から表示する場合が一般的です。開店前後の[時間帯]だからです。

<時間帯分類>
◆04:00〜08:00[早朝時間帯](EARY-MORNING)
◆08:00〜12:00[午前時間帯](MORNING)
◆12:00〜16:00[午後時間帯](AFTERNOON)
◆16:00〜20:00[夕方時間帯](EVENING)
◆20:00〜24:00[夜間時間帯](NIGHT)
◆24:00〜04:00[深夜時間帯](MID-NIGHT)

◎まず[時間帯]の意味付け(性格付け)を考えること

[時間帯]ごとに、意味付け(性格付け)企業としての共通認識をもつことが大切です。それによって、[時間帯]ごとの仕事の優先順位の共通理解できるからです。

(1)[早朝時間帯]は、<開店準備プロ(業者)時間帯>

[早朝時間帯]は、4:00〜8:00です。24時間営業でなければ開店前です。一般的には、店舗従業員(社員、パートタイマー、アルバイト)不在の時間帯です。清掃業者、テナント社員の早朝作業、納品業者作業の時間帯です。
業者さんの時間帯と性格付けます。 〜売上高(ゼロ)、投入人時(ゼロ)〜

※ 店舗運営の考えるとき、売上に“直接”関係しない人時はなるべく発生させたくないのです。“ついでに”済ませたいものです。従って、“売上(ゼロ)の[時間帯]”には、企業にとって付加価値の高い作業は持ち込みません。

(2)[午前時間帯]は、<開店前後時間帯>であり<売場商品販売体制の確立時間帯>

[午前時間帯]は、8:00〜12:00です。一般的には開店時刻は、9時か10時ですから開店直前時間帯です。
この時間帯は、開店前と開店後で分けて考えます。開店前は、開店時刻に合わせて“終らせておくべきこと”を最小限の投入人時で済ますことです。
従来発想では、“開店”を重く価値付けています。<開店に間に合わせて・・>のいった作業、“行事”に見直すべき事項が見つかるかもしれません。
開店後は、午前ピーク時間に合わせて売場商品販売体制を確立し、午前の客足から午後の客足を想定し、作業の段取りと役割分担を確認します。この時間帯から昼食休憩が始まります。
〜時間帯前半は売上高(ゼロ)、投入人時(最少)、時間帯後半は売上高(少々)、投入人時(万全)〜

(3)[午後時間帯]は、[夕刻ピーク売場商品販売体制確立時間帯]

[午後時間帯]は、12:00〜16:00です。この時間帯は、昼食休憩を交代で済ませて、夕刻のピークの売場商品販売体制確立の段取りをする時間帯です。発注とか、ミーティング等もこの時間帯に組み込まれます。
意外に、手空き時間が発生していて、見過ごされる時間帯です。
〜時間帯前半は人手の大半は食事休憩、売上高(少々)、時間帯後半は投入人時(万全)売上高(中程度)〜

(4)[夕方時間帯]は、[販売、サービス専心時間帯]

[夕方時間帯]は、16:00〜20:00です。この時間帯は、メリハリの効いたマネジャー、監督者の作業指示が必要です。ピーク時間はそれほど長くなく、しかもズレます。適宜人手を移動させる必要があります。
また、ピーク後の作業指示が大切です。この時間帯は、前半は比較的人手がいますから、売場、後方のピーク後の後片付けも済ませたいです。この時間帯の後半は、明日の販売体制の準備と清掃(厨房、後方)の時間帯です。
〜理想的には、人時投入(中程度)、売上高(最大)〜

(5)[夜間時間帯]は、レジを見ながら[明日のため準備の時間帯]

[夜間時間帯]は、20:00〜24:00です。この時間帯は、店舗(部門)運営のレベルを評価するときに注目する時間帯です。サービス残業(マネジャー、監督者)が発生している時間帯だからです。
前の[夕方時間帯]の後半の対処の差がこの時間帯に表れます。
〜売上高(小)の投入人時(?)〜

<ここからは10/23に追加分です>

◎店舗運営を革新する考え方の変遷

スーパーマーケット業態の店舗運営の革新とは、店舗運営にかけるコストの最少化です。店舗運営コストの中心は人件費です。
スーパーマーケットは、セルフサービスと集中レジ・システムという革新的店舗運営を特徴として誕生しました。(当初は、生鮮食品部門はテナント扱いでした)構造的に低価格(低値入れ率)を可能にする業態として誕生したのです。その後、スーパーマーケットは、このローコスト構造は、パートタイマー主体オペレーション、店舗運営の標準化(システム化と同義語をとらえて下さい)など数々の革新を重ねてチェーンストア業界を先導してきました。
ここで紹介する[時間帯]思考もこの流れの一環で革新的スーパーマーケット企業が取り組んだ一つの流れです。

◎[時間帯]思考は、店舗運営では部門の壁を超えた発想を生む

[時間帯]思考では、それぞれの[時間帯]を店舗運営「何をする[時間帯]か」をシンプルに定義します。
その「何を」を完遂する(期待通りやり遂げる)のが、その[時間帯]の目的です。この認識は部門を超えたものとなります。限られた人時枠(該当[時間帯]のトータル人時)でその「何を」を完遂にするためには、部門、職務を超えた人手の動かしが必要になるかも知れません。
そのことは、[閑散時間帯]と[繁忙時間帯]両方で発生します。
例えば、[閑散時間帯]が“極端に”投入人時を絞りたい[時間帯]です。
その[時間帯]の問題は、対面、接客部門です。
チェッカー(ゼロ)の時間は、コンビニでは当たり前です。チェッカーを配置する時間を決めているくらいです。
昼間の昼食休憩時間は、対面部門は販売員(ゼロ)を補完する“誰か”を決めればよいのです。
ただ単純に人時減らしを図るのではありません。[繁忙時間帯]に人手をシフトするのです。
《[閑散時間帯]のお客さまのクレームの後ろには、他のお客さまはいないが、[繁忙時間帯]のお客さまのクレームの後ろには、多数のお客さまがいる!》

[繁忙時間帯]こそ、職務、部門を超えた人手の“瞬時”の移動(応援)が必要です。職務、部門を超えた人手の動かしの権限(責任)を与えられた時間帯責任者(トラフィック・コントローラー)が必要です。

◎マルチ・ジョブ体制の導入の必要性

個々のパートタイマーにモラールを高め、責任感を持たせるために、専門職務を持たせるものは必要です。
その上でのマルチ・ジョブ体制です。マルチ・ジョブ体制とは、全社員が全ての職務をこなせる体制を言います。後方部門の職務担当者も、生鮮部門の職務担当者もチェッカー他のマスターを義務づけます。
非常時対応のマネジメント対応の幅が広がります。

◎店舗運営革新の取り組み事例

(1)独立「作業」の“時間”をなくす
<解説>
必要な「作業」は、やめられません。だったら、時間を与えなければいいのです。これらを〔隙間作業〕と名付けます。担当者は、手の空いた時に済ませます。〔隙間作業〕を見事に、確実にこなす担当者を誉め称えます。

※店舗業務、作業の標準化の実務対応の“勘所”です。売場では業務の一部に入れ込めず独立「作業」が発生します。レジ備品の補充、簡単清掃、商品手直し、これらはまとめて一つの「職務」として担当者をつけるという考え方もあります。この考え方は、部門運営の必要人時を結果的に増やします。標準化の考え方は、Bプラス従業員の普段の処理スピードで基準人時(必要割当時間)を設定します。
言いたいことは、実務の現場には<大きな時間の固まり>の余裕はないが、<小さな時間の固まり>の余裕は、不測意に発生しています。“”客待ち時間“、”工程待ち時間“、”指示待ち時間“、”“商品待ち時間”などです。
〔隙間作業〕と定義した「作業」を実施担当者を決めて処理させるのです。
某スーパーマーケット企業では、12〜13の独立「作業」をチェッカーの
〔隙間作業〕としてレジ部門の効率化で成功しています。 

<10月27日追加分〜完了〜>

(2)習慣的にある[時間帯]に実施していた作業を別の[時間帯]に移動する

例えば、開店前後[時間帯]08:00〜12:00(MORNING)を見直して見ましょう。この[時間帯]に「清掃作業」が存在するのは問題かもしれません。
開店前後[時間帯]08:00〜12:00は、“訳あって”この[時間帯]に実施する作業だけにしたいものです。[夕方時間帯]の前半も同様です。
皆さんの店舗運営の閉店前後[時間帯](アルバイト主体[時間帯])が、店舗運営の“ブラック・ボックス”になっていませんか!?
《アルバイトを上手に使うコンビニ、下手なスーパーマーケット!?》という評価もあります。一般的に大学生アルバイトは、潜在能力が平均的に高いです。
訓練と動機付け次第です。

(3)閑散[時間帯]は<ヨコ割りオペレーション>、繁忙[時間帯]は売りに関係する職務に人手集中する 

この意味合いこんなことです。《閑散[時間帯]は、部門の超えた職務設計で回し、繁忙[時間帯]は、売りに関係する職務に人手集中する》
もう少し、説明が必要です。ここで云う閑散[時間帯]とは、開店前後の[時間帯]のセルフ売場をイメージして下さい。つまり、対面部門(サービス部門)については、従来ほど“開店時完全品揃え完成”にこだわらず、基本は“実売”時間に向けて“仕込み”を間に合わせる人時の投入出来る「基本勤務スケジュール」を設計することです。

◎ [時間帯]思考の実務(この項の結論)
〜「前日のピーク時間後の仕事内容、段取り」と「今日の午前中の仕事内容、段取り」の関連付けた【売りの体制の完成度】向上(完成)が究極の狙い〜

近代的な店舗運営管理は、各種の数値指標で管理、コントロールされます。その数値の基本は一日単位です。従って、店舗運営の視点は“今日一日”の完成度に向きます。しかし、実際は“昨日の夕方、夜間の仕事の内容”で、“今日の午前中の段取り”が決まり、結果的に“ピーク時の販売の体制”まで左右しているのです。

1日の店舗運営は夕刻のピーク時間までです。その後は、翌日の準備の時間帯であると認識して下さい。
夕刻ピーク後の店全体、部門ごとの「職務設計」を明日の準備体制に革新的に変えて下さい。重点職務、作業に人時を投入して下さい。それによって、翌日の早朝、午前時間帯の職務、作業が変わる(減る)はずです。
人時配置(既存パートタイマー、アルバイトの契約時間)を変更してください。
成果は、売上高の伸び、人時の削減のいずれか、または両方で出るでしょう。

<完>

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