作業療法士K.J.さんのOJI(現場の作業改善)

[絵描き歌を利用した脳梗塞患者の治療法]

私は、毎週日曜日に〔老人保健施設さんとめ〕~所沢市~で、同施設の機器を使わせて頂きリハビリ訓練に汗を流している。私の場合は、訓練メニューを同施設専属の作業療法士の方に作ってもらい自主訓練をしている。
従って、常日頃は、作業療法士の方(何人かおられ、日曜日は交替で一名勤務する)とは、挨拶程度のお付き合いである。
この日は、担当の作業療法士K.J.さんと、日頃忙しくてゆっくりお話し出来ないのに、たまたまゆっくり現状の課題症状をお話し出来た。

(1)会話は、支障ないが、単語を思い出すのに時間を要し、会話に間が空くことが時々発生する
(2)左手でパソコン入力している
(3)パソコン入力時に頭の中で考えた文字(アルファベット)以外を打刻してしまう(非常にしばしば)
(4)声を出して文章を読むことが苦手(黙読は、通常通り出来る)、文字を認識しても言葉が出てこない場合がある。英語では、顕著である。
(5)疲労してくると、呂律が回らなくなる

現在、この施設では、不自由な右手でホワイトボードに字を書く訓練をしているのを知っている彼女は、突然「絵描き歌は、どうかしら!」と云って、ちょっと待って下さい・・と、マジック・ペンとA4の紙を持ってきて、“ドラえもん”の絵描き歌で実演して見せた。

私の現状の課題症状の話しは、たくさんの医療関係者に訴えたものである。
しかし、こんなに真剣に(興味深げに)聞いてくれて、即アイデアを行動に移した人は、初めてであった。
感動したので、私の専門分野の[OJI]流にまとめてみた。

改善提案(OJI)
[絵描き歌を利用した脳梗塞患者の治療法]

◎発案者  K.J.(作業療法士)さんとめ~所沢~

◎治療内容(患者実施内容)

(1)声を出して歌う(読む)
(2)サインペンで描く

◎治療(訓練内容)

(1)声出し訓練(歌う訓練)
(2)利き手の文字書き訓練(機能回復訓練)
(3)言葉(発声言語)と動作内容の連動性訓練(脳からの指示の連動性)

◎実験患者の機能状況(村上忍~さんとめ日曜日通い利用者~)

(1)男性68歳、脳梗塞治療3年目、実務復帰(コンサルタント)
(2)右半身マヒ(歩行問題なし)
(3)右手は、箸を使えないが、スプーンでカレーをすくえる程度
(4)右手でサインをする
(5)会話は、支障ないが、単語を思い出すのに時間を要し、会話に間が空くことが
時々発生する
(6)左手でパソコン入力
(7)パソコン入力時に頭の中で考えた文字(アルファベット)以外を打刻してしまう
(非常にしばしば)
(8)声を出して文章を読むことが苦手(黙読は、通常通り出来る)、文字を認識しても言葉が出てこない場合がある。英語では、顕著である。
(9)疲労してくると、呂律が回らなくなる
(10)現在、ペグ(大、小)で右手先(主に親指)の機能回復訓練中
(11)現在、ホワイトボードに板書記入訓練中

◎期待される(期待する)効果

(1)右手のよりスムースな動き
(2)顔面筋肉のスムースな動き(笑顔訓練)
(3)発声訓練
(4)声に出した言葉と動作(書かれた図形)との連動性
(5)文字(図形)の認識と発語と書(描)かれたものの同一化
(6)パソコンの打刻ミスの減少

◎使用する道具

(1)絵かき歌の本[絵かきうた大集合]~ブティック・ムックno.833~
(2)お絵かき帳
(3)マジック

ま る2年間のリハビリへの取り組みわ通して、この分野(リハビリ実務技術)の遅れ(未開拓)を痛感している。療法士が使っている訓練テキストの古さ、訓練の 道具(療法士の手作りが良い)の少なさが気になる。松本の相澤病院のベテラン療法士のように意欲的な療法士の方もおられるが、少ない。
療法士の研修の卒業課題に上記のような<リハビリ訓練用の道具の開発>を取り上げてみたらどうか。まだ、年に一度全国規模で療法士の<リハビリ訓練用の道具の開発>コンクールをやってみたらどうか。関連業者も協賛も可能であろう。
とにかく、若い有意な療法士に夢を与えて欲しい。一患者の願いである。

(2011年10月29日村上忍記)

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