2014年連載①−(4)《チェーンストア経営の実務原則》

2014年連載①−(4)《チェーンストア経営の実務原則》
〜小売り業の発展と産業化を実現したチェーンストア方式〜

《チェーンストア方式の実務》

チェーンストアとは、小売り店(リアル店)の経営(運営)方式のひとつであり、業績拡大と収益拡大で強みを発揮する。その基本手段は、多店舗展開である。

アメリカが合衆国として、領土的に発展を続ける過程で社会的インフラが整備されていった。交通機関は幌馬車(道路網)、汽船(運河網)、汽車(鉄道網)車(高速道路網)と進化していった。その進化を支えたのは、郵便、電信、電話、動力としての石炭の生産、蒸気機関、自動車の開発、進化である。
小売り業の発展も社会的インフラの整備に従って進んだ。

〔[問屋中心の展開]⇒[百貨店の隆盛]⇒[通信販売]⇒[チェーンストア]〕
百貨店は、大都市へ店舗を出店した。通信販売は、農業国アメリカの農家(牧畜業者を含む)をメイン・ターゲットにして売上を伸ばした。
最後に、チェーンストアは、最初は田舎町、ついで地方都市の周辺と地方都市、最後に大都市周辺へと広がりを見せたのである。
[通信販売]も[チェーンストア]も販売方式であるから、全ての業種が参入し、その販売方式を試みた。

◎ チェーンストア方式の特徴(強み)が一般化し、原則化し始めた

チェーンストアは、多店舗展開する企業群を統計分類上の括り(初期には4店舗以上の店舗を持つ小売り企業)である。しかし、初期から百貨店は4店舗以上店舗展開していても“百貨店”であった。実際、初期の統計上のチェーンストアは、成長する小売り企業は全て多店舗を指向したため、意味をなさなくなった。
アメリカの発展とそれを支えるインフラを整備が、チェーンストア方式を生み出したといっても良いであろう。

チェーンストアをチェーンストア方式(科学的で、合理的な経営方式)まで高めた功績は、食品チェーンストア(スーパーマーケット)である。

◎ A&Pの「エコノミー・ストア」の原則

1859年にニューヨークで創業した当時は食料品店ではなく、中国と日本からお茶を直接輸入して市価より廉価で販売するお店であった。商売は非常にうまくいったので程なく2店舗目をオープンした。1865年までに25店舗を展開し、屋号も[グレート・アメリカン・ティ・カンパニー]として食料品も販売することにした。
1880年にやっと100店舗目をオープンさせるという牛歩の如き出店ペースであった。
A&Pがその進化を示す拡大計画は、1912年に新しいタイプの店舗に関する実験が成功したことで緒についたのである。
その新店舗は「エコノミー・ストア」と呼ばれ、商品の掛け売り、配達をやめた“キャッシュ・アンド・キャリー”方式で出来る限る安く売ることを指向した。

「エコノミー・ストア」の特徴をここで整理する。

⑴「エコノミー・ストア」は、小規模店である
⑵「エコノミー・ストア」は、地代が安い
⑶「エコノミー・ストア」は、店内の作業を一人でこなす
⑷「エコノミー・ストア」は、店内の造作も控えめである
⑸「エコノミー・ストア」は、配達をやらない
⑹「エコノミー・ストア」は、掛け売りをやらない
⑺「エコノミー・ストア」は、商品を他店より安くうる
⑻「エコノミー・ストア」は、利益率が低い
⑼「エコノミー・ストア」は、最少の利益で満足する
⑽「エコノミー・ストア」は、売上の増加(多店舗化)しか頼るものがない

最初の「エコノミー・ストア」が成功したので、(その安さ故)どこのどんな場所でも出店することに意思決定した。
次の2年間で新たに1600店舗をオープンさせ、1919年の終わりには4200店を超える店舗を営業していた。1930年のピークでは1万5700店舗を営業していた。

◎1930年食品チェーンストアは革新され、スーパーマーケット・チェーンが誕生した(スーパーマーケット・チェーンストア方式の原型の誕生)

その後、A&Pの店舗数を4000というレベルまで減少させているが、食料品業界に革命的変化が起ったことに対する対応である。
つまり、この革命的変化は、食料品の安さの魅力を凌駕するものだったのである。

その特徴は次の通りである。

⑴今までに無い大型店舗
⑵精肉売場と野菜、果物売場を併設(初期のスーパーマーケットは、衣料、靴、
 家具までも売っていた)
⑶精肉売場と野菜、果物売場を含めて食料品の大量陳列、大量販売をする
⑷セルフサービス方式を採用(セルフサービス方式は、スーパーマーケットが
 開発したものではない)
⑸セルフサービス方式と大量販売の利点としての経費節減、思い切った廉価販
 売

この後は、食料品チェーンストア(A&P、クローガー等の大手グロサリー・チェーンを含む)は、大型スーパーマーケットの店舗を出店し、周辺の自社の小型店を3〜4店舗閉めていったのである。
  

1月28日ここまで

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