HBR[ハーバード・ビジネス・レビュー] バックナンバーの振り返り~26.3(1)~

HBR[ハーバード・ビジネス・レビュー] バックナンバーの振り返り~26.3(1)~
《March2013》

Why It Pays to Be a Category Creator
〜カテゴリーを新たに創出する企業となるには〜

エデイ・ユン(ケンブリッジ・グループ プリンシパル)
リンダ・デーケン( ケンブリッジ・グループ マネジング・デイレクター)

バックナンバーの振り返りと言いながら、今回は直近の掲載論文を紹介したい。その理由は、現在取り組んでいる〔ファイブ・ウエイ・ポジショニング戦略〕の展開で、使える考え方であるからであると思ったからである。
そもそも新たに開発された“業態” 、“フォーマット”とのほとんどは、〔新しいカテゴリー〕を特徴とするのではないだろうか。その意味で、「新たなカテゴリーの創出」≒「新たなフォーマット(業態)の創出」であると考える。
詳細は本文で・・・

<コーヒー・メーカーの画期的なイノベーション>

◎人間は500年以上も昔からコーヒーを淹れてきた。これまで、家庭でもオフィスでも、消費者は、扱いにくいオフィス共用のコーヒー・ポットを使っていた。

◎アメリカの消費者は、1990年代にキューリグは開発した、一度に一杯分のコーヒーを淹れることができるポッド式コーヒー・マシンの利用に移行した。

◎同社は2004年に家庭用コーヒー・メーカー市場に進出し、急速に売上を伸ばした。

◎現在、同社のコーヒー・メーカーに使用する<K-Cupパック>は、200種類以上のフレーバーを取り揃えており、一個当たり約50セントで販売されている。これは伝統的な方法で淹れたコーヒーに比べて一杯当たりのコストが十倍も高いが、それれも消費者はスピードと利便性の対価として進んでこの費用を払っている。

◎2012年、キューリグのコーヒー・メーカーとポッドのアメリカ国内の売上げは38億ドルを超え、同社のコーヒー・メーカーの市場シェアが金額ベースで40%以上を占めるに至った。

◎キューリグは、これらの成果を、イノベーションを漸進的に積み重ねるのではなく、まったく新しいビジネス・カテゴリーを生み出して達成した。

◎今日、世界でカテゴリー・クリエーター企業が、目覚ましい発展をと遂げている。

◎カテゴリーの創出には、新しい種類の製品だが、以前からある方法で販売が可能なものでも思いつくケースも含まれる。

◎しかし、多くの場合、カテゴリーの創出には画期的な商品とビジネス・モデルが必要だ。

◎レッドボックスはDV Dの無人レンタル機(キオスク)事業を専業としているが、実店舗の運営に伴う不動産経費と人件費を不要にし、一泊当たりのレンタル料金をわずか1ドル20セントに設定するという、これまでにない価格設定モデルを導入することで、動画レンタル事業に革命を巻き起こした。

<大手企業の言い訳>

◎大手企業は、カテゴリー創出のためのリソースと能力を備え、成長志向が強いにもかかわらず、その多くが、スタートアップ企業が画期的な商品とビジネス・モデルを創出するのを傍観するに留まっている。

〜その言い訳①〜
◎「画期的なイノベーションの創出は、スタートアップ企業の方が優れている」

このような主張は、明らかに間違っている。
その理由はただ一つ、<現在販売している製品の枠を超えた可能性を認識出来る想像力の欠如である。>

〜その言い訳②〜
◎「当社には、新しいカテゴリーの創出に取り組む余裕は無い。」
カテゴリー創出には、多額の支出なしに、その機会を発見できる場合が多い。

〜その言い訳③〜
◎「当社の市場は成熟しており、消費者は新しいものを試そうとは望んでいない。」

長期にわたり一つの製品を販売している企業は、消費者の秘められた欲望を抱き、自社の製品が満たしていない未開発のニーズが存在することになかなか気付かない。
しかし、その中には、長年使用されてきた多くの日用品が、より優れた製品によってその地位を奪われた例がたくさんある。

〜レッドボックスの成功事例〜

◎レッドボックスはDV Dの無人レンタル機の開発を支援したコインスターは長年、食料品雑貨店に設置されるプリペイカード、ギフト・カード、写真現像、プリペイドの携帯着信メロデイなどの自動販売機を取り扱っていた。
その頃、DVD無人レンタル機がマクドナルドの新規事業開発部門で開発され、同社のフランチャイズ店に設置された。だが、市場ではヒットを飛ばすことができなかった。
一方、コインスターはレッドボックスの事業を買収して無人レンタル機を食料雑貨店に設置して、ビジネスを軌道に乗せた。2011年、レッドボックスの売上は約16億ドルに達した。

<カテゴリー・クリエーターを目指すためには>

その可能性を高める方策

⑴現在参入している市場の将来性を見通すことができるポジションに適切な人材を配置すること

⑵市場調査をモニターして、既存の傾向と自社の市場を理解するための経費が過大になってはいないか、また将来の消費者の行動および近接する市場を調査するための経費が過小になっていないかを検討すべきである。

⑶リソースの配分と担当者の意欲を高める方法について、創造的アプローチを考えなくてはならない。カテゴリー創出の予算を策定し、たとえ、短期的な利益に直結しなくても、新しい市場への進出も可能とする事業のアイデアに投資する用意があることを明確に示さなければならない。

⑷リスクの回避によって、多くの企業がカテゴリー創出を妨げられている事実を念頭に置くべきである。そして、組織文化を徹底的に分析して、自分の会社がこうした企業の一つでないことを確認しなければならない。カテゴリー創出で得られる見返りは、とてつもなく大きい!!

 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加