HBR[ハーバード・ビジネス・レビュー] バックナンバーの振り返り<2014年4月号>

HBR〔データは構想に従う〕
2014年4月号
〜鈴木 敏文(セブン&アイ・ホールデイングス代表取締役会長・最高経営責任者(CEO)〜

BIG DATA IS  ITIMPORTANT  FOR COMPANIES ?

ご存知、セブンイレブン創業者の鈴木 敏文氏へのインタビューである。氏は、データはあくまでもツールに過ぎないと説く。IT活用に実績のある鈴木敏氏はデータをどのようにとらえて活用したか。そして、データより大切なものとは何か。鈴木敏文理論の本質に迫る。

(HBRインタビュー論文の骨子である。)

〜仮説を立てないビジネスなどありえない〜

◎消費者が豊かになってモノが一巡するとともに、世の中が売り手市場から買い手市場へと転換した。売れると予測した商品が売れ残り、期待していなかった商品が予想外に売れて品薄になったりという齟齬が生じる。売り手の立場から見れば、この齟齬が利益を圧迫する要因となる。

◎こんな事態を避けるためには、お客さまの嗜好に近づくことが大切である。そのためには、仮説を立てることが必要だ。

◎仮説とは、<どういう商品を出せばいいのか>、<どの程度の量を投入すればいいのか>、<どのくらいの価格に設定すればいいのか>、<どういう人が買ってくれるのか>、<どの程度売れるか>、<どのくらい仕入れればいいのか>のいうこと。

◎仮説を立てないビジネスなどあり得ない。立てた仮説の成否は確認しなければならない。それをせずに、次の仮説が立てられない。だから、詳細なデータが必要なのだ。

◎アメリカには、POSダータをマーケティングに使うという発想はなかった。この発想は、セブンイレブン(日本)が初めてであった。

◎データ分析は仮説を立て、実証するための道具でしかない。

◎仮に、店頭で最も売れている商品があったとしよう。その商品はデータから見れば確かに売れでいるが、売れている理由までは分らない。仮説と消費者の潜在需要が合致したから受け入れられたのか、たまたま大々的に展開されていて、在庫が豊富に在ったから大量に販売することが出来たのか。データからは、本当の消費者のニーズを掴んでいるかは分らない。

〜「何故」を持ち続ければ、実態とデータとの違和感に惑わされない〜

◎自分の仮説や感覚と異なるデータが出てきた場合には、その理由を深く考える。

◎販売データを見ると、売れ行きは悪くなかったが、味が普通のチャーハンと違っていた。その理由を担当者に訪ねると大量に炒めることが出来ず、炊いていて本物の味が出せていなかった。これは売る側の勝手な都合に過ぎない。この対応に危機感を覚えた。一旦、販売を止めさせて炒めるチャーハンを作らせた。これは、データの結果より、お客さまに美味しいものを売りたいという意志を優先させた事例である。

◎微妙な味の違いを感じるかは、仕事として味の違いを感じようとして食べているからである。

◎あらゆる仕事は「なぜ、なぜ、なぜ」の繰り返しである。妥協しないで疑問を持ち続ける姿勢で臨むことができれば、実態とデータとの違和感に惑わせられることはない。

〜世の中に、変化がなければ、ビジネスは成り立たない〜

◎何でも知っていると考えるのは、単なる驕りである。その中は激しく変化し続けているので、これまでの経験など役に立たない。

◎そのことを常日頃から意識し、「それでいいのか」、「それは本当か」という疑問を持ち続けられるかといかで、仮説の精度は違ってくる
◎時代の変化、消費者の変化に合わせて対応していけば、商機はあるもの。

◎世の中が変化していく時には、必ず現状に対するミスマッチが生じる。そのミスマッチを解消するための手段が、すべてビジネス・チャンスなのである。
◎ 人間は同じことに決して満足せず、飽きる。この飽きるという変化があるからこそ、新しい商品やサービスが生まれる。

〜消費者を想像できれば、動き出すことは難しくない〜

◎私は、もともと消費者の心理をきちんととらえるべきであるという考えを持っていたので、心理学や統計学を学んだ。

◎心理学や統計学に関する知見を学び続けていれば、新しいことに対して壁を感じることなく、比較的チャレンジし易くなる。

〜意志や構想なくして、ビジネスは大きくならない〜

◎データに導かれた消費者のニーズより、売り手側が納得したものを売るということが大切。

◎コンビニエンス業界の一日に売上をみると、セブンイレブンは一店舗約68万円とトップである。これはセブンイレブンが消費者が望む商品を日々提供した結果である。その裏には、「こんな商品を売りたい」、「こんな店にしたい」といった私たちの意志があるのだ。

◎ビジネスに大切なのは、自分がこうしたいと思う構想を持つことである。

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