The Daily Drucker  ドラッカー365の金言(徳忍の学習帳

<5月5日「新多元社会の到来」> 〜8月31日〜

《今日の組織は、自らの目的を中心におき、絶対視し、意味あるものとする。》

少し難解な項です。ドラッカー一流の(得意の)解りやすい事例が欲しいものです。

<今日の多元社会における組織(企業等)は、統治や支配には関心がない。

※組織とは、企業であり、学校であり、病院のことを総称しています。したがって、企業の方は企業に置き換えて読むことです。そうすると意味が見えてきます。

かってのものと異なり、完結した存在ではない。成果はすべて外部にある。

◇ 企業が生み出すものは、満足した顧客である
◇ 病院が生み出すものは、治癒した患者である
◇ 学校が生み出すものは、学習したことを10年後に使う学生である

今日の多元社会は、かっての多元社会より柔軟である。(規制が少ないという意味でしょうか)
社会を分裂の方向に向けさせることはない。(かっての多元社会の教会、領主、自由都市等は、分裂含みの確執を繰り返して政権を奪い合いました。)
しかし、世界観を分かち合うこともない。>

ここからが、ドラッカーが指摘するところです。
そういった背景があって、

<今日の組織(企業等)は、自らの目的を中心におき、絶対視し、意味あるものにする。それぞれ独自の言葉で話し、独自の知識、独自の秩序、独自の価値観をもつ。>

ここで、実際の事例を念頭にあげることができれば、理解が深まります。優良チェーン小売り企業をいくつかあげて考えてみて下さい。
ドラッカーの指摘通りでしょう。

この指摘から、次の事実のわけ(理由)がやっとわかりました。
ある大手チェーンSM(スーパーマーケット)は勉強熱心な企業で、何某優良SMからスーパーマーケット・オペレーションを何年もかけて学ぼうとして、目的を果たせないでいます。これと似たケースを中堅SM数社で見かけます。これらの試みは無理なのです。

『何某SM』は、[自らの目的を中心におき]、[絶対視し]、[意味あるものにする]。それぞれ[独自の言葉で話し]、[独自の知識]、[独自の秩序]、[独自の価値観をもつ]のです。
絶対、真似られません(理解出来ません)。

そのあとの指摘が重いものがあります。

<それらの組織(企業等)のうち、社会全体に対して責任を負うものは一つとしてない。社会の問題は誰かの仕事と見る。しかし、それは誰の仕事なのか・・・。>

ドラッカーは、企業の社会的責任論につながる問題提起です。

この項は、『新しい現実』〜1989年〜からの引用です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加