高校同窓 I くんへの手紙

高校時代の同窓 I 君への手紙です。
I 君では、高校の同窓会の総会で同じテーブルに隣り合わせました。そのとき、歴史ある我が校の初代校長の研究者がおられ、その資料を持っていると聞き、是非にとお願いしてお借りしました。
それをお返しするのが遅れて今日になってしまったのです。

I  君

大変ご無沙汰しております。
お元気ですか。〔大洗海の大学〕の活動も関わって活動なさっておられますか。
いずれにしろIさんのこと、楽しい日々をお過ごしのことでしょう!

当方、脳梗塞のリハビリで毎日の半日を使っておりますが、不自由な半身のトレーニングもありますが、元々は脳の疾患ですから、脳を鍛えるべく読書、いくつかの研究活動、それのホームページの運営と頭脳鍛錬に努めております。これが面白く、生まれて初めて“勉学の徒”を任じている昨今です。

企業のコンサルタントの頃からのドラッカー研究の深化もその一つです。
〜今さら、ドラッカーとの意見もありますが、ここまで追い求めてきたドラッカーは何だったのかも研究課題の一つの側面です。〜

もう一つ、ポスト資本主義社会(定常経済社会)の研究です。これは深刻過ぎる(また難度の高いテーマです。)問題ですが、同行の同志(大学名誉教授=私の同様の年寄り)と共に研鑽しております。
現役の研究者の広井良典(千葉大教授)の著作「創造的福祉社会」ほかが学びの教科書です。実践的には「地域コミュニティ問題」、「高齢化社会問題」の対応実験です。
そんなこんなで、今の悩みは、「時間のなさ」と「能力、体力不足」です。

貴重な我らが〔川越高校〕の初代校長研究資料をお返し致します。ありがとうございました。
当初よりコピーをとり、マーカーで汚しながら読み進めました。
私の結論としては、この研究者「T」氏の研究内容がほぼ“全て”であろうと思います。
(長年にわたる凄い研究努力には尊敬の念を禁じ得ません)
増野先生は、江戸から明治への激動期を生きた方です。I君よりこの資料を受け取ったとき、その時代背景(激動期)に関心が向きました。
お借りした研究者T
氏の資料にはない当時のアメリカとそれに接した日本人の感動、興奮ぶりを知りたかったのです。

ありました! 岩波文庫の〔〜特命全権対し〜米欧回覧実記〕全5巻です。
これは、岩倉具視を団長とする使節団で1871年(明治4年)から約一年半かけて米欧先進諸国を歴訪した記録です。
約50名の団員には、木戸孝允、大久保利通、伊藤博文ほかのそうそうたるメンバーです。平均年齢30歳で中には18歳の団員もいます。
この使節団には、別に59名の留学生が派遣されました。このメンバー構成は全国の藩の俊英、多士済々であったようです。

T氏の資料によると、増野先生はひたすら<キリスト教徒>としての学びに徹しておられたようです。
ときの興奮、日本の将来・・・をいった熱気と無縁の方のようです。
したがって、何かの巡り合わせで公立中学と校長を拝命した際には、アメリカの当時の思想というより、クリスチャンとしての思想(倫理観、道徳観)を主に持ち込地込まれたと考えられます。

保守的風土の川越の地の公立中学でギクシャクしても不思議ではありません。ということで、増野先生にとっては川越中学を校長就任は一つのエポックであったでしょうが、クリスチャンとしての人生から考えると“一コマ”だったかもしれません。T
氏のご努力は多のするもののこれが私の結論です。

まあ、当時は大変な時代であり、青雲の志を抱いた若者が活躍したときであったのです。増野先生をそのお一人として、川越中学(川越高校)の第一歩を飾って下さったわけです。
増野先生から「何を頂いた」ことにするかは我々です。T氏の研究の結論もそちらにもっていって頂きたいというのが私の希望です。

2014年9月25日
村上徳忍

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