[2015年01号]   来るべき時代を支えるであろう概念(考え方)  《定常型社会》

《定常型社会》

〔「成長」に代る価値とは〕

○ 社会的閉塞感の背景は
:社会保障制度の将来に対する不安
:経済成長ないし「物質的な富の拡大」という目標が目標として機能しなくなったが、それに代る新たな目標や価値を日本社会が見出し得ないでいる。

○ 「定常化社会」というコンセプトの提案
:「(経済)成長」ということを絶対的な目標としなくても十分な豊かさが実現されていく社会。
:「ゼロ成長」社会。

○ 経済成長の究極の源泉である需要そのものが成熟ないし飽和状態に達しつつある。
:高齢化ないし少子化という動きと不可分なものとして、人口そのものが2007年をピークに減少に転ずる。
:資源や自然環境の有限性が自覚されるようになり、経済活動それ自体の持続性ということを考えても、経済の規模の「定常性」が要請されるようになった。

○ 「定常化社会」とは実は「高齢化社会」と「環境親和型社会」を結びつけるコンセプトでもある。

○ 成長し続けなければならないという大前提に囚われると
:ムダとしか思えないような公共投資
:パブル期での需要の実体がないマネー志向の拡大
:「定常型社会」では、これは意味のない政策空自由になる

○ 「豊かさ」への再定義が必要
:「量」の変化から「質」の変化へ
:変化しないもの(例えば、自然や伝統)にも価値が置かれる。

○ 「全ての問題は経済成長が解決してくれる!」
:「富の成長」経済の側面一辺倒だった
:「富の分配」政治の側面不要 ※戦後の実態であった

○ 「定常型社会」は、「持続可能な福祉国家/福祉社会」とよべるもの
:個人の生活保障がしっかりされつつ、それが資源・環境制約とも両立しながら長期にわたって存在しうる社会

〔現代の社会をどうとらえるか〕

〜環境・福祉・経済〜

○ ケインズ政策とは
:経済を市場に委ねてしまうのではなく、国家ないし政府が
⑴様々な公共事業(経済学的にいえば公共財の提供等市場の失敗の是正)や、
⑵所得の再分配政策を積極的に行い、それを通じて需要を喚起し、経済を安定化させると同時に人々の生活水準をあげる。
:所得再分配について言えば、例えば、一般に高所得者よりも低所得者の方が「消費性向」が高いから、政府が税などを通じて一定の所得再分配をおこなう。
○ 「ケインズ政策」ということが、ヨーロッパの文脈ではそのまま社会保障や福祉国家の問題であった野に対し、日本の場合は「ケインズ政策すなわち“公共事業”」という図式が暗黙のうちに了解され続けてきた。
〜「環境−福祉−経済」の変化〜
○ 実は、家族や市域共同体といった「コミュニティ」というものが、経済の進化にともない希薄化していった。
:共同体的な関係ないしコミュニティの解体として現れ、そこに「コミュニティから離脱していく(脆弱な)個人を支援するシステム」としての社会保障/福祉の問題がうまれる。

○ 「経済−福祉−環境」という三つの次元を統一するフレームの中でとらえた視点と今後の展望が求められる。

 〜環境親和型社会と高齢化社会〜

○  「定常型社会」性格と「循環」性というコンセプトが浮かび上がる。

○  「定常型社会」性格は、資源や環境の「有限性」という出発点から、「持続可能性」という発想が重要なものとなる。

○  他方、高齢化社会という文脈では、高齢化社会とは自ずと出生率が一定以下に低下している社会ということから、特に人口の定常化という視点から定常型社会ということに帰結する。

○  単なる「親−子」関係を超えた「老人−大人−子ども」という三世代構造をもつことに他の生物にはない本質的な特徴をもつ、といった高齢者社会にもつながる。

 〜二つの対立軸(富の成長と分配)〜

 ○  社会保障をめぐる対立軸と〕環境をめぐる対立軸

(a)[大きな政府] vs [小さな政府]・・・・福祉/社会保障政策の文脈

(b)[成長(拡大)志向]vs  [環境(定常)志向]・・・・環境政策の文脈

:ヨーロッパでは

*  [大きな政府]派(社民系政党)・・・「環境」派を結び付きやすい

*  [小さな政府]派(保守系政党)・・・「成長」派と結び付きやすい

○  「福祉(社会保証)」や「環境」は基本的に「経済」に対立するもの、あるいは「経済成長」にとって“お荷物”として理解されたのが戦後の日本であった。

〜新しい状況(対立軸と接近とクロス)〜

 ○  ケインズ主義的な「総需要創出政策」が以前のように機能しなきなっていたと言う構造変化である。

○  政府が様々な財政支出(公共事業や所得の再分配など)を通じて「消費を刺激」し、需要の拡大を通じて経済を不断に拡大していく、という基本的な構図そのものが成り立ちにくくなっている。

〜環境親和型社会と高齢化社会〜

○  「定常型社会」性格と「循環」性というコンセプトが浮かび上がる。

○  「定常型社会」性格は、資源や環境の「有限性」という出発点から、「持続可能性」という発想が重要なものとなる。

○  他方、高齢化社会という文脈では、高齢化社会とは自ずと出生率が一定以下に低下している社会ということから、特に人口の定常化という視点から定常型社会ということに帰結する。

○  単なる「親−子」関係を超えた「老人−大人−子ども」という三世代構造をもつことに他の生物にはない本質的な特徴をもつ、といった高齢者社会にもつながる。

〜二つの対立軸(富の成長と分配)〜

 ○  社会保障をめぐる対立軸と〕環境をめぐる対立軸

(a)[大きな政府] vs [小さな政府]・・・・福祉/社会保障政策の文脈

(b)[成長(拡大)志向]vs  [環境(定常)志向]・・・・環境政策の文脈

:ヨーロッパでは

*  [大きな政府]派(社民系政党)・・・「環境」派を結び付きやすい

*  [小さな政府]派(保守系政党)・・・「成長」派と結び付きやすい

○  「福祉(社会保証)」や「環境」は基本的に「経済」に対立するもの、あるいは「経済成長」にとって“お荷物”として理解されたのが戦後の日本であった。

 〜新しい状況(対立軸と接近とクロス)〜

 ○  ケインズ主義的な「総需要創出政策」が以前のように機能しなきなっていたと言う構造変化である。

○  政府が様々な財政支出(公共事業や所得の再分配など)を通じて「消費を刺激」し、需要の拡大を通じて経済を不断に拡大していく、という基本的な構図そのものが成り立ちにくくなっている。

〜個人の生活保障はどうあるべきか(社会保障あるいは「富の分配」の新しい視点)

 ○  インフォーマルな社会保障の解体した(日本)

○  日本の社会保障の特徴とは

:規模においては、社会保障給付が多くの先進国に比べて相当に低い水準である。

<社会保障給付の対GDP比〜93年度〜>

◇  スエーデン38.5%

◇  フランス27.9%

◇  ドイツ25.3%

◇  アメリカ15.0%

◇  日本11.9%

○  日本が、こうした低い社会保障給付でなお人々の社会保障が比較的に維持されていたのは、言わば“インフォーマルな社会保障”(目にみえない社会保障)というべきセーフティネットが存在したからである。

○  日本の社会保障の第二の特徴は、「内容」に関するものであり、社会保障費全体に占める「年金」の比重が先進諸国の中で最も大きいこと、また逆に「失業」関連給付と「子ども」関連給付の比重が際立って低いことである。

○  日本の社会保障の第三の特徴は、「財源」に関するものれあり、社会保険の枠組みの中に相当額の税が部分的に投入され(たとえば礎年金の3分の1、国民健康保険の2分の1など)、“税と保険の渾然一体性”ともいうべき特徴をもった社会保障制度となっている。

〜日本の社会保障給付費はなぜ低いのか〜

 ○  現象面に即して見れば、日本の社会保障給付費はなぜ低いのか

:とくに、ヨーロッパにおいて社会保障給付の大きな柱をなしている「失業」関連給付が、少なくともこれまでの日本においては極めて小さな比重しかもっていなかったこと。

:児童手当に代表されるような「こども」関連給付が、日本の場合非常に低い水準にあったという点。

:社会福祉あるいは「対人社会サービス」に関する給付が今なお十分に展開されていないこと。

:生活保護ないし公的扶助を受けるものの割合が諸外国に比べて際立って低いこと。

:日本の医療費の水準が国際的にみて低いこと。

 〜二つのコミュニティの解体(インフォーマルな社会保証)〜

 ○  日本の場合、「インフォーマルな社会保障(見えない社会保障)」と呼ぶべき部分が実質的に人々の生活保障において役割をはたした。

○  「インフォーマルな社会保障」として、とくに重要なったのは、「カイシャ」、「核家族」という二つのコミュニティである。

:「カイシャ」は、終身雇用制の下、社員のみならずその家族の家族の生活保障を生涯にわたって行うという機能を担ってきた。

:ところが、現在では、「カイシャ」については雇用の流動化や就業形態の多様化の中で「核家族」については、女性の社会進出や個人単位化の中で、急激に「コミュニティ」としての実質を失いつつある。

○  この結果、日本の低い社会保障給付費を支えた条件であった「インフォーマルな社会保障」が大きく希薄化している。

〜社会保障をめぐる新たな論点〜

○  雇用の流動化と社会保障の問題にどう対処するか

:保険料徴収の困難さ

:保険料改革の難しさ

:サラリーマンと自営業という2本立ての問題点

○  子どもに対する給付の低さと「子育ての社会化」にどう対処するか

:日本の場合、「三世代同居」が欧米より残っており、祖父母が孫の面倒をみるパターンが残っていた。

:家庭での“専業主婦=子育て”から女性の社会進出、少子化対策として問題が顕在化。

〜これからの社会保証〜

○  二つの方向性

⑴「医療・福祉重点型の社会保障」

:高所得者が高給付をうける現行の仕組みは改正すべし

⑵「個人のライフサイクルを座標軸とする社会保障」

:高齢者と子どもについては、「税」でまかなう

:現役世代については、「(社会)保険」でまかなう

〜三世代モデルとしの現代的変容〜

○  生物の一生〔成長期(子ども)−生殖期(おとな)−後生殖期(老人)〕

○  人間の特徴、高齢期が長い

○  人間の特徴、子どもの時期が長い

○  つまり、生産と生殖に関わらない時期(期間)が長いのが人間と特徴である。

※人間と創造性、文化の源として活かせるかを人間は問われている

〜消費税、相続税、環境税が「定常型経済」の主要財源となる!?〜

○  今後の社会保障のうちの税部分に関しては消費税、相続税、環境税とする

○  消費税に関しては

(a)  社会保障給付を「個人」単位に設計するということとも対応させながら、「個人」をベース都市、高齢者そ含め(消費の量に応じて)薄く、広く財源を求めるという趣旨。

(b)  いわゆるクロヨンすなわちサラリーマンと自営業者等の間の所得把握の公平性の問題。

(c)  各国における歴史的展等を踏まえれば、消費税は明らかに有力な選択肢と考えられる。

〜経済的システムの進化〜

○  [古典派]市場経済と自然

○  [新古典派]産業化と自然的制約からの離陸

○  [ケインズ以降の時代]「情報の消費」と貨幣

〜まとめの替えて〜

〔定常化社会の3つの意味〕

[第一の意味]

「マテリアルな(物質・エネルギーの)消費が一定となる社会」のいう意味での定常化社会

[第二の意味]

「(経済の)量的拡大がないし、目的としない社会」のいう意味での定常化社会

[第三の意味]

「(変化しないもの)にも価値を置くことの出来る社会」のいう意味での定常化社会

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