[2015年004号]   来るべき時代を支えるであろう概念(考え方)  《創造的福祉社会(持続可能な福祉社会)》

《創造的福祉社会(持続可能な福祉社会)》

〔創造的福祉社会〕は、〔創造的定常経済システム〕というコンセプトと基本は一緒である。したがって、ここでは〔定常型社会〕の復習を兼ねて[キーワード]、[キーコンセプト]を拾い出してみたい。

<001>創造的(定業型のなかで“創造性”を探りたいという思い)

<002>現在の日本、世界が、数百年単位の大きな曲がり角に差し掛かっているという認識

<003>長引く経済的停滞の意味合いをマクロで捉えることの重要性

<004>2005年を境に始まった人口の減少

<005>世界に先駆けて高齢化社会への突入

<006>「成長」概念にとらわれない社会モデル構想の必要性

<007>「グローバル化」の先にある「ローカル化」

<008>求められる「福祉都市」のビジョン

<009>「地域」の自立の意味

<010>「原理」にさかのぼった「価値」の追求

<011>「時間軸/歴史軸」と「空間軸(グローバル化とローカル化)」

<012>ローカル「地域」が前面に・・・

<013>進化と福祉社会

<014>先進国、資本主義国で「生産性が上がり過ぎた」という見方

<015>構造的な生産過剰

<016>若年層を中心に失業の慢性化

<017>「過剰による貧困」という見方

<018>「ケア」、「コミュニティ」、「自然」(貨幣に換算することが困難な領域)への関心の深まり

<019>「社会起業家」の展開

<020>「協同労働」の展開

<121>「ソーシャル・ビジネス」の展開

<122>10代から30代の若者の失業率が高齢者の失業率より高

くなっていることの問題

<123>非正規雇用、低賃金の問題

<124>先進国の慢性的失業率の高さの問題

<125>現在の資本主義が構造的な「生産過剰に陥っている」との認識!?

<126>“失業の不安に駆られて過重な労働を行い、それが更なる生産過剰を招き、結果として「過労」と「失業」が同時に存在する。”

<127>「欠乏による貧困」ではなく、「過剰による貧困」

<128>「過剰の抑制」と富の「再分配」の必要性

<129>ヨーロッパなどで行われる「時間の再分配」政策ないし「時間政策」

⑴賃金労働時間を短縮し、それを地域、家族、コミュニティや自然などにかかわる賃金労働以外にシフトする。
⑵福祉、教育など労働集約的分野への労働力シフト 
⑶環境政策などでのサーバサイズ(モノを売る事業ないし経済活動を人が提供するサービスを売る事業に再編していく) 
⑷いわゆるフレクシキュリテイと呼ばれる、柔軟な労働市場と十分な生活保障および積極的雇用政策。

<130>社会的セーフティー・ネット

<131>「雇用」というセーフティー・ネット(ところが、「病気」、「失業」、「高齢」、「退職」に対するセーフティー・ネットとしての社会保険、健康保険、失業保険、年金保険)⇒生活保護(公的扶助)

<132>事前予防的セーフティー・ネットとは

<133>資本主義、社会主義、エオロジーの融合とは

<134>「システムの根幹にさかのぼった社会化」の意味

<135>人生前半の社会保証(例えば、教育の国際比較 対GDP比)

:デンマーク(7.8%)、:アイスランド(7.4%)、:スウエーデン(6.7%)、:日本(3.7%)
※ OECD28国中最下位
個人の生活保障ないし失業・貧困に陥るリスク等にもっとも大きな影響を与えるのはその人の受けた教育であろう。ゆえに<教育は、「人生前半の社会保障!」>

<136>社会保障の財源問題

⑴消費税 ⑵相続税 ⑶環境税ないし土地課税

<137>土地課税によるストックの再分配や社会保障への充当

<138>エコロジー的流れに属するイギリスの経済学者ロバートソンは、「共有資源への課税」という考え方の下、土地やエリルギー等への課税の重要性を論じている。
「人間が加えた価値」よりも「人間が引き出した価値」に対する課税するという。
富の源泉は、人間の労働や活動よりもまず第一に自然そのものであるという思想。自然の資料料としての税金。

<139>生産性、効率性の再定義
:むしろ、人を多く活用して、逆に自然資源を節約する方が大切
:「労働生産性」から「環境効率性」ないし「資源生産性」へ(人はむしろ積極的に活用しつつ、できるかぎり少ない自然資源や環境負荷で生産を行うこと)

<140>そうなると、これまで“生産性が低い”典型とされてきた「介護」、「福祉」、「教育」などの分野(ケア関連分野)にまったく新しい意義が生まれることになる。
ケアという労働集約的な分野に資源配分をしていくことこそが、「経済」にプラスになっていくのである。

<141>[環境効率性]、[資源生産性]から[ケア充足性]へ

<142>社会的システムのレべルで「資本主義」、「社会主義」、「エコロジー」を融合する。
<143>福祉ないし社会保障政策において、先に指摘した「人生前半の社会保障」を強化していくことは、「機会の平等」やそれによって可能となる各個人の潜在能力の発揮を通じて「経済」にもプラスに働くであろう。

<144>また、福祉や教育など「人」が中心的な重要性をもつ労働集約型な分野に資源配分を誘導していくことが、失業率の是正につながるとともに「環境効率性」、「資源生産性」という意味で経済にも資する。

〜「コミュニティ」という視点で考える〜

<145>事後的な再分配のみならず、最初からその「人」を「コミュニティそのものにつないでいく」という対応が今後の福祉国家において重要になる。
<146>福祉における「公平性(ないし公正、平等)」の概念自体をそのようにコミュニティとの関わりでとらえるとすれば、コミュニティは他方で「持続可能性」ということと不可分という関係にあるので、それは環境政策とも補完的となり、経済にもプラスの効果をもつことになるであろう。
<147>これらに、コミュニティという概念を結節点として「福祉と環境と経済」あるいは「平等と持続可能性と効率性」が再定義され、それらが互いに相乗的な関係をもちうる。

〜定常型社会から創造的定常経済/創造的福祉社会を考える〜
先の〔定常型社会〕で、ここ数百年続いた資本主義システムあるいは産業化社会がある種の飽和ないし生産過剰に陥っているという議論を学んだ。そこで私たちは、人類史上いわば“第三の定常期”への移行という構造変革の下にあるとの視点である。
「定常」が「脱成長」であり、“変化の止まった退屈で窮屈な社会”というイメージがあるがそれは誤りだ。
定常期とは、文化創造期である。
義務としての“経済成長”から人々が解放され、真の意味で各人が「創造性」を発揮し、開花する社会である。
しかし、そこにたどり着くためには、価値観の転換、社会システムの転換が必要である。

<148>「人間の三世代モデル」のいう考え方が重要である。
:人間という生き物は、「子ども」の時期と「高齢期」が長いという特徴がある。
:こうした直接の“生産活動”から自由な時期が長いことや、老人と子どもが世代間継承をすることが人間の「創造性」の源泉である。

<以下、コミュニティに続く>

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