《良書紹介!》 書名 〔21世紀の歴史〕 〜未来の人類から見た歴史〜

今後【徳忍学習帳】での内容深読み、解説を予定しております。

ジャック・アタリ 著(経済学者、思想家、作家)

作品社<2400円>

〔本書カバーでの内容紹介文〕

ヨーロッパ最高の知性が、21世紀政治・経済の見通しを大胆に予測した、“未来の歴史書”                                         
「欧州復興開発銀行」に初代総裁にして、経済学者・思想家・作家であり、“ヨーロッパ最高の知性”と称されるジャック・アタリ。
本書は、アタリが長年政界・経済界での実績、研究と思索の集大成として、「21世紀を歴史」を大胆に見通したものだが、サブプライム問題、世界金融危機を予測しており、世界的な注目をあびている。サルコジ仏大統領は、本書に感銘を受けて“21世紀フランス”変革のための仏大統領諮問委員会「アタリ政策委員会」を設置した。1943年生まれ。

<本書日本語版序文紹介〜抜粋〜>

◎21世紀、はたして日本は生き残れるか?

日本には20世紀後半に世界の中心勢力になるチャンスがあった。
また日本は、本書に登場する世界市場においてさえ、「中心都市」となるチャンスさえあったのだ。
しかしながら、日本はいまだに「中心都市」とはなりえていない。それには少なくとも三つの理由が考えられる。

第一に、並外れた技術的ダイナミズムをもつにもかかわらず、日本は、既存の産業・不動産から生じた超過利得、そして官僚周辺の利益を過剰に保護してきた。
また将来性のある産業、企業の収益・利益・機動力・イノベーション、人間工学に関する産業を犠牲にしてきた。
特に情報工学の分野では、日本はカリフォルニアのシリコンバレーにリーダーシップの座を譲ってしまった。
「近代」に対する強い憧れにもかかわらず、日本は、粘り強く官僚の排他的は特権階級を修復し、その権力に畏怖しながら、過去の栄華に対するノスタルジーに浸ってきた。

第二に、海運業や海上軍事力などの海上での類い稀なる覇権力があるにもかかわらず、日本は海洋を掌握することができなかった。
また日本はアジアにおいて、平和的で信頼感あふれた、一体感のある友好的な地域を作り出すことができなかった。
仮にアジアにこうした地域が存在すれば、それは日本の覇権拡大の基盤となっていたであろう。
さらに日本は、港湾や金融市場の開発を怠ってきた。仮に日本に発展した港湾や金融市場が存在していたとすれば、アジアと太平洋地域の中継点として、日本は世界の「中心都市」となることができたであろうし、今後もその可能性は残っているであろう。

第三に(最後に)、日本はこれまで十分な<クリエイター階級>を育成してこなかった。
また彼らを外国から呼び込むことも、迎い入れることもしてこなかった。
すなわち日本は、ナビゲーター、技術者、研究者、起業家、商人、産業人の育成をこれまで怠ってきたと同時に、科学者、金融関係者、企業クリエーターを外国から招聘することもしなかった。
アイデア、投資、外国からの人材を幅広く受け入れることなくして、「中心都市」とはなり得ない。      
※ クリエーター階級・・・才能溢れる人々

〜中略〜

◎ 21世紀日本の課題

⑴中国からベトナムにかけての東アジア地域に、調和を重視した環境を作り出すこと。

⑵日本国内に共同体意識を呼び起こすこと。

⑶自由な独創性を育成すること。

⑷巨大な港湾や金融市場を整備すること。

⑸日本企業の収益性を大幅に改善すること。

⑹労働市場の柔軟性をうながすこと。

⑺人口の高齢化を補うために移民を受け入れること。

⑻市民に対して新しい知識を公平に授けること。

⑼未来のテクノロジーをさらに修得していくこと。

⑽地政学的思考を念入りに構築し、必要となる同盟関係を構築すること。

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