The Daily Drucker  ドラッカー365の金言(徳忍の学習帳)

《 10月3日〔意思決定と妥協〕 》〜3月29日〜

〔何が受け入れられやすいかではなく、何が正しいかを考えなければならない。〕

やがて妥協が必要になるからこそ、何が受入れられやすいかではなく、何が正しいかを考えなければならない。
そもそも、何が正しいかを知らずして、正しい妥協と間違った妥協を見分けることはできない。
その結果、間違った妥協をしてしまう。

私は1944年、はじめて大きなコンサルティングの仕事としてGMの組織構造と経営政策について調査に手をつけたとき、教えられた。

会長兼CEOだったスローンがこう言った。
『何を調べ、何を書き、何を結論とするかはお任せします。
ただし、正しいと思うことをそのまま書いて下さい。反応は気にせず、妥協など考えないで下さい。
妥協できない経営幹部はこの会社にはいません。しかし、何が正しいかを教えてくれなければ、正しい妥協もできません。』

意思決定を行う者は、この言葉をネオンサインとして机の前に飾っておくべきである。

【解説】

内容的には、解説を必要としないでしょう。
しかし、ドラッカーのコンサルタントとしての大きなこの初仕事は“問題有り”だったのです。
《正しいと思うことをそのまま書いて下さい。反応は気にせず、妥協など考えない。》
とのスローンの言葉を受けてのドラッカーの提言は、GM幹部から受入れられずに“ペンディング”状態に陥ったのでした。
当時のGMのスローンと言えば、経営の神様[松下幸之助]のような存在だったのです。
革新的マネジメントの“若き旗手”ドラッカーが、真っ向からスローン型経営に異を唱えた恰好とです。
結果として、ドラッカーの呈した<正しいこと>を受けてGM(スローン)が妥協を強いられた形で事は収まったようです。
このエピソードは、後年ドラッカーは社会的高い評価を得てから、ストーリーは改変されたようです。

この項は、『経営者の条件』〜1966年〜 からのものです。

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