The Daily Drucker  ドラッカー365の金言(徳忍の学習帳)

《 10月8日〔意思決定の必要性〕 》 〜2015年4月9日〜

〔優れた外科医が不要な手術を行なわないように、不要な意思決定を行なってはならない。〕

不要な意思決定は時間と資源を浪費するだけではなく、他の意思決定までおかしくする。
意思決定が本当に必要かを自問しなければならない。
手術がよい例である。
リスクをともなう手術は数千年にわたって行なわれてきた。リスクのない手術はない。
したがって、不要な手術は避けなくてはならない。

外科医には三つの途がある。

第一に、自然に治る見込み、あるいは安定する見込みはあるのであれば、定期的にチェックすればよい。手術はしない。

第二に、進行性の病であって、手術をしなければ生命の危険があるのであれば手術を行なう。直ちに行なう。

第三に、最も多いケースとして、進行性でもなければ生命に支障もないが、自然に治るわけでもないということがある。
ここでは機会とリスクを比較考量する。
一流の外科医と並みの外科医との差が表れるのが、このときである。

【解説】

「意思決定」には、時間と諸々の資源の消費を伴います。
ここでの“時間と諸々の資源の消費”は、意思決定した当人だけではなく、多数の関係者の“時間と諸々の資源の消費”です。
もし、無用の(間違った)意思決定がなされると、多数の関係者の“時間と諸々の資源の浪費”が発生するわけです。
<無用な意思決定はしない>ことの重要性をドラッカーは強調します。
そこで、ドラッカーが“得意とする”事例が、添付されます。今回は、[外科医のケース]です。《外科医の三つの選択肢》です。
問題は、
〔第三に、最も多いケースとして、進行性でもなければ生命に支障もないが、自然に治るわけでもないということがある。〕
です。ドラッカーは[機会]と[リスク]の比較考量(どちらが“重い”か)を宿題として与えております。
ここでのポイントは、[機会]をどのようにとらえるかです。
手術の結果どの程度現状より改善されるか。その結果と患者が術後に期待している想定行動(目的)との対比です。
これは、医師と患者との共感レベルの問題です。
単純に<機会とリスク>の並列対比とはならないところが、一流外科医と並みの外科医との差となるのです。
手術の腕前だけではないのです。
(2015年4月9日11:30徳忍記)

この項は、『経営者の条件』〜1966年〜 からのものです。

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