佐藤 一斎 一日一言 『言志四録』を読む (徳忍の学習帳)⑹

佐藤 一斎 一日一言 『言志四録』を読む (徳忍の学習帳)⑹

渡邊五郎三郎=監修 致知出版社  解説=村上 徳忍

《第六日目》性分の本然、職分の当然
 性分の本然の尽くし、職分の当然を務む。此くの如きのみ。

【訳】人は生まれつき持っている仁・義・礼・血・信の五常の道を誠意をもって努め、それぞれの立場で父子の親・君臣の義・夫婦に別・長幼の序・朋友の信といった五倫の道を実践する。人はただそのようにして生きればいいのである。
*性分・・・生来に人間の性、仁義礼智信。
*職分・・・人として当然なすべき義務。孝悌忠信。

【解説】<性分の本然。職分の当然。>徹すればよいと佐藤一斎は説くのです。人間は生来、『仁・義・礼・智・信』五常の道を持っているのです。誠意をもって努めなさいと諭します。
佐藤一斎は、<人間の性は善なり>(性善説)が基本にあります。人の性分は多様です。そこには邪悪のものも当然含まれます。「イスラム国の五常」も作ることが可能なのです。
佐藤一斎の説く「五常」は禅宗の“五常の選択”です。実際、この本の佐藤一斎の語録は、編者が1133条ある佐藤一斎の語録から365条を選別したものです。『仁・義・礼・智・信』と五常の道として選択したことが、禅宗の本来の面目なのです。職分で関しても同じことが言えます。『孝・悌・忠・信』の選択が禅宗の本来の面目なのです。
選択し特定化するのが思想家、哲学者、宗教者であり、全部整理して紹介、解説するのが学者(研究者)であると考えます。

日本では、この辺りの整理がなされず、論じられていると思います。学者としての業績のある方を思想家、哲学者として崇め、たてまつる行為です。私は、そのことを正すことは、一部の方のヒーローを全社会レベルで評価される(高める)ことになると考えます。(徳忍記)

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