《村上徳忍のエッセイ・シリーズ⑩》

[くれぐれも“脱サラ”すべからず!!]

(10)今度は、日本では一般的な〔店舗規模がまちまちなチェーンSM〕での〔レイバ−スケジューリグ・システム〕の効果性を確認してみたい!

◎ 米国スターマーケット(ジュエル)で学んだ真価は、〔店舗規模がまちまちなチェーンSM〕でも発揮される筈・・・!

2002年(平成14年)4月から3年間のウエルマート(現マックスバリュ西日本)に於ける〔レイバ−スケジューリグ・システム〕の導入確立の取り組みは、日本で初めて〔レイバ−スケジューリグ・システム〕の導入確立に成功した実務事例であると同時に、私自身チェーンストアの店舗運営の〔実務コンサルタント〕としての実を示した“第一歩”として大きな意味があった。結果数値(効率指標の改善)から見ると「成功」であったかもしれないが、実務的には、“とっかかり”得たというだけのことだと、すぐに思い直せられた。
岡田卓也会長(当時)の「150坪SMなんて所詮“あだ花”です!」の一言は、刺激的でありショックでもあった。
この岡田会長の見通しからすると、今後展開されるべきはもっと規模の大きな、多様なサービスを具備したフォーマットが主流になる筈である。そこで実績を挙げてこそ・・・と諭されたのである。

1980年、当時の米国SMチェーン大手企業グループ〔ジュエル〕が、参加のSMチェーンのスターマーケットを学ぶ対象を我々に推薦した理由は、
①. ボストンという成熟マーケットで成功している100店舗規模のSMチェーンであること
②. 店舗規模がまちまちでありながら、独自の〔レイバースケジューリング・システム〕を構築していること
③. 急速出店展開中のSMチェーンではなく、成熟マーケットでの既存店対応のオペレーション対応が課題の企業であること
であったのだ。当初より、事前の実態調査により日本の実状を熟知した上で、ジュエルはそれと同じようなマーケット環境で評価の高いスターマーケットを推薦したという経緯を思い出した。

実は、ウエルマートより半年遅れで(ほぼ同時期である)本格的に〔レイバ−スケジューリグ・システム〕の導入に取り組んだ企業がもう一つあった。大阪の万代である。

◎ 店舗規模がまちまちなスーパーマーケット・チェーンでの導入成功の青写真とは・・・

万代は、大阪をドミナント(他からの参入を寄せ付けない強さを持った)とする地域密着型の中堅スーパーマーケット・チェーン(当時の店舗数120〜130店)であった。
当時、“ドル箱”の小型繁盛店に陰りが見え始めているとは言え、全店舗の7割り近くが小型店であり、企業の収益の大半をその小型店で稼いでいる状況からの脱却が急務となっていた。
そこで、2002年(昭和14年)には、満を持して〔レイバースケジューリング・システム〕構築に取り組むことにしたのである。取り組みの狙いは、当時では大型店であった300坪タイプの店舗のオペレーション体制の構築(収益を見込め、今後の新規出店のモデルとする)ことであった。陰りの見えてきた“ドル箱”の小型繁盛店の立て直しは後に回した。

トップの下したこの戦略設定は正しかったし、〔レイバースケジューリング・システム〕構築の目的が具体的であったことがよかった。

◎ 《M・S・O プログラム》〜Mandai Standard Operation Program〜ガイド

同社は、300坪フォーマットのための《M・S・O プログラム》の構築からはいった。
非常に分かりやすい(社内のコンセンサスを取りやすい)取り組みの開始の仕方である。
ガイド書の導入の全文を紹介しよう。

このガイド書を活用する店長、主任のみなさんへ

《M・S・O プログラム》とは、万代が今後主力フォ−マットとして出店する標準店舗の組織体制と店舗の運営体制及び既存店舗での導入展開の手順を言います。
万代が今後ともに予想される厳しい経営環境、競合状況の下で勝ち抜くためには、お客さまに提供する商品の質、サービスの質において他店に優っていなければならないのみならず、運営コスト面でも優っていることが求められます。

《M・S・O プログラム》は、このような条件をクリアするように設計、開発されています。
従いまして、《M・S・O プログラム》は21世紀を勝ち抜く万代の店舗運営の中心に据えられるものなのです。

この《M・S・O プログラム ガイド》は、店長、主任の皆さんが自店(自部門)に《M・S・O プログラム》を導入する際に用いる「手引書」です。
みなさんは、《M・S・O プログラム》導入の目的と重要性を理解した上で、自店への導入を見事に成功させましょう。

かがやかしい万代の未来を築くために、みなさんの積極的な取り組みを期待しております。

成功するプロジェクトの要点を備えた優れた<導入の文章>である。
簡潔の論旨が明快である。ということは、導入、確立目的(戦略)が具体的に定まっているということだ。
〜以下次回〜

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