《村上徳忍のエッセイ・シリーズ⑩−2》

[くれぐれも“脱サラ”すべからず!!]

(10−②)〔レイバ−スケジューリグ・システム〕〜科学的で、合理的な店舗運営を指向する仕組み〜の基本的な考え方を実務に落とし込む〜万代でのケース〜

この会社での実務展開は見事であった。切実性が、評論・一般論が入り込む余地をなくし、社内からの批判は殆ど出なかった。導入は、待ったなしで計画通り(〔MSOプログラム〕ガイド通り)に展開された。

◎ 《M・S・O プログラム》の基本となる4つの考え方

科学的で、合理的な店舗運営を指向する仕組みである〔レイバ−スケジューリグ・システム〕には、4つの守るべき原則(考え方)がある。
①. 仕事(量)に人手を割り振ること
②. 職務ごとの人員体制を組むこと
③. 時間帯別の顧客動向に合わせた販売体制、人員体制を組むこと
④. 本社採用従業員(正社員)を最少人数に限定し、店舗採用従業員(パートタイマー)の活用(登用)の幅と枠を拡大すること

① は、仕事、仕事量の明確化と人時(マンアワー)管理である。
② は、各部門の職務名と職務内容さらに職務内容を作業項目に落とし込んだ。新たな職務名も生まれた。
③ は、売場の、仕事の時間帯別管理を意味する。営業時間は、[午前]・[午後]・[夕刻]と3つの時間帯で管理出来る。勤務時間帯を加えると[早朝]、[夜間]の時間帯が入る。時間帯によって、特定時間帯職務(作業)が生まれる。この間に従業員(パートタイマー、アルバイト)の勤務時間の変更、人員募集等で“横割り作業(職務設計)”他多くの改善、革新が進み、生産性が格段に向上した。
④ は、問題は職人的ベテラン社員の支える生鮮部門である。職人的ベテラン社員は、仕事をパートタイマーに明け渡そうとはしない。ここでのせめぎ合いは、今日まで各社で残っている。

この4つの原則を実務展開するための手引き書が、《M・S・O プログラム》ガイドであった。

◎ レイバースケジューリング・システムでの実務管理指標は、〔売上高対比人件費比率〕と〔人時売上高〕

何を管理指標とするかは重要である。現場管理、監督者の行動を変えるからである。無定見に複数の(多くの)管理指標を提示すれば、管理、監督者の管理の視点がバラツキ、現場が混乱してしまう。
レイバースケジューリング・システムでの実務管理指標は、〔売上高対比人件費比率〕と〔人時売上高〕である。

〔売上高対比人件費比率〕=人件費 ÷ 売上高 である。
店舗の利益を出せるか否かのバロメーターである。店長は、経営の視点として〔売上高対比人件費比率〕で結果評価される。

〔人時売上高〕=売上高 ÷ 投入労働時間(人時) である。
どれだけ生産性の高い部門運営をしたかのバロメーターである。部門責任者は、〔人時売上高〕で部門運営を管理し、その結果を評価される。

◎ 《M・S・O プログラム》ガイドの眼目は、水平展開であった

実験店の位置づけは、《M・S・O プログラム》の効果性を社内に喧伝するためのものではなかった。水平展開の実務準備の拠点であった。水平展開で必要な基準値設定の場であった。
《M・S・O プログラム》ガイドは、水平展開のために作られたものである。
実は、《M・S・O プログラム》ガイドは、実験展開時には“構想段階”であって存在していない!
当面の目標である30店舗に、水平展開するために一挙に作られたのである。

<《M・S・O プログラム》導入スケジュール〜6週間〜>
①. 店長研修会
* 既存従業員組織図作成
* MSO人員高製図作成
②. 人員構成案修正
* 販売部長・店長
* 業務改革室と最終調整
③. MSO説明会
* 店舗にて実施
④. 個人面談の実施
* 配置転換
* 勤務時間、時間帯
⑤. 既存従業員の配置転換確定
* 募集員数の決定
⑥. 欠員の募集
* 契約変更前に変更しうる範囲での勤務シフト変更
* 勤務計画の調整
⑦. 店組織決定
* この間は勤務シフト変更のみで過剰人員も顕在化させる
* しかし適正シフトに近い
⑧. 検定試験実施
*完全なシフトに
⑨. 契約変更完了
⑩. MSO本格稼働

第一段階では、30店舗程度展開。第二段階では、70店舗展開。

◎ レイバースケジューリング・システム導入確立の事例としての振り返り

この時の振り返りとしての感想は、
①. 機が熟していたこと
②. 優秀なスタッフに恵まれたこと
③. 経営事情として後がなかったこと
④. 評論家がいない企業体質であったこと
⑤. 真面目な組織風土
これだけ揃うと、うまく行くという事例か、どうもこれだけではないと思うが分からない。

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