〔レイバースケジューリング・システム〕事始め

本編③【人時(マンアワー)】と6つの【時間帯】

科学的な店舗運営とは、“勘(かん)”だけではなく、“数値”の裏付け(あるいは“論理”の裏付け)を重視する店舗運営です。
チェーンストアの店舗運営が、科学的であるのは〔店舗運営を数値化して語る〕からです。
その主要な数値単位が【人時(マンアワー)】であり、主要な区分の6つの【時間帯】です。

◎ 時(時間)の表現単位

人間は、生活するために必要な“決め事”として、時間(とき)という概念(考え方)を開発しました。

①. 何時何分(24時間表示が一般的 18:30〜午後6時30分〜)

②. 時の長さ(秒、分、時間、日〜24時間単位〜、月〜30日単位〜、年〜365日単位〜 )

日常生活では、①と②で十分ですが、店舗運営では不十分です。
店舗運営を科学的(効率的)に進めるためには、一日を戦略的に攻めるために【時間帯】と言う区分の考え方を活かしたいのです。

③. 【時間帯】〜1日24時間の中の時間帯〜
1日24時間を6つの【時間帯】で表現(定義)します。

(1) 16:00~20:00 [夕方時間帯(EVENING)]
(2) 20:00~24:00 [夜間時間帯(NIGHT)]
(3) 24:00~04:00 [深夜時間帯(MID-NIGHT)]
(4) 04:00~08:00 [早朝時間帯(EARY MORNING)]
(5) 08:00~12:00 [午前時間帯(MORNIG)]
(6) 12:00~16:00 [午後時間帯(AFTERNOON)]

◎ 6つの【時間帯】の店舗運営上の意味
〜《24時間サイクル・オペレーション》という発想が、店舗運営を革新し
ます!〜

科学的店舗運営(レイバースケジューリング)では、1日24時間を6つの【時間帯】で管理運営します。
6つの【時間帯】は、サイクルで昨日と明日と関(環)連しています。
この考え方は店舗運営で重要な考え方です。
工場の作業管理の考え方にある<前工程><現工程><後工程>を応用すると、
どの【時間帯】も接続する前の【時間帯】の<後工程>であり、前【時間帯】の準備されたものの成果を出すか、後処理をするか、また後【時間帯】の<前工程>として、準備作業があるかもしれません。
このように全ての【時間帯】は、相互に保管し合った関係にあります。
それぞれの【時間帯】は、店舗運営上個別の意味(性格)を持っています。

(1) 16:00~20:00 [夕方時間帯(EVENING)]
:前半は実売時間帯、後半は生鮮部門の厨房清掃など
:チェックアウトのピークが含まれる時間帯
(2) 20:00~24:00 [夜間時間帯(NIGHT)]
:閉店時刻が含まれる時間帯(24時間営業店以外)
:明日の開店に向けての準備時間帯
(3) 24:00~04:00 [深夜時間帯(MID-NIGHT)]
:非営業時間帯
(4) 04:00~08:00 [早朝時間帯(EARY MORNING)]
:早朝作業時間帯
:開店準備(仕込み)時間帯
(5) 08:00~12:00 [午前時間帯(MORNIG)]
:開店時刻が含まれる時間帯(24時間営業店以外)
:販売体制(商品)確立時間帯
(6) 12:00~16:00 [午後時間帯(AFTERNOON)]
:ピーク時準備時間帯
:昼食休憩消化時間帯

各時間帯の定義(○○をメインに実施する時間帯など)は、企業により、営業時間の設定より異なりますが、独自の定義を設定することは重要です。
明確に、各時間帯を定義している企業(店舗)は、各時間帯の実施作業が戦略的に設定されて、店舗運営のメリハリがあるはずです。

◎ 【時間帯】を店舗運営の基本に据えている運営は、“ヨコ割り”店舗運営を取り入れた科学的店舗運営の第一歩!

“タテ割り”の店舗運営とは、従来通りの部門単位での店舗運営です。一方、“ヨコ割り”店舗運営とは、部門を超えた人手の配置(部門を超えた職務設定)を言います。例えば、早朝の複数部門にまたがる品出し、夜間の多部門の厨房を担当する清掃作業などが代表的事例です。
店舗運営(部門運営)の人員配置の難しさは、時間帯によって客数が一定しない(仕事量が一定しない)ことです。その解決策としては、部門を超えて(担当職務を超えて)人手を移動させて、作業をこなすことです。
個人的気配りに期待するのではなく、仕組み、ルールとして対応します。
この辺りは、後ほど考えることにします。ここでは、【時間帯】を基本に店舗運営を考える習慣を身につけましょう。

◎ 【人時(マンアワー)】という便利で重要な時間に関する単位

時(時間)の表現単位の4つ目は、【人時(マンアワー)】です。

④. 【人時(マンアワー)】
仕事(作業)の量を時間で表現する単位です。英語ではman hour と表現して、clock hour と区別します。
例えば、3人がかりで4時間かかる仕事量(作業量)は、12人時(マンアワー)です。
この単位は、仕事量(作業量)と人手の関係を表現していますから実務上大変便利に使えます。

12人時(マンアワー)の作業は、
2人で6時間かけて処理してもよいし、
3人で4時間かけて処理してもよいし、
4人で3時間かけて処理してもよいし、
6人で2時間かけて処理してもよいし、
12人で1時間かけて処理してもよいことを示します。

もし、仕事量(作業量)が【人時(マンアワー)】で把握出来て、複数の従業員に分担出来れば、過不足なく人手が割り振れるはずです。
結果として、必要最低限の人手で、ムリなく期待レベルの仕事の出来栄えを実現出来るはずです。

この考え方が、科学的店舗運営(レイバースケジューリング・システム)の基本です。
この<もし・・・>を実現する仕組みが〔レイバースケジューリング・システム〕であり、皆さんが身に付け、行動する基本が〔スケジューリング・マインド〕です。

◎ 【人時(マンアワー)】を基本に店舗運営を進めると自店(時部門)の
生産性レベルを他店(他社)と比較することが出来ます!

【人時(マンアワー)】を使った生産性指標が、〔人時売上高〕です。
月次の売上高実績をその月の投入人時合計で割った値です。
つまり、該当店(部門)のその月の<1人時当たりの売上高(円)>です。
自店(時部門)の先月の売上高と人時実績を計算して(確認して)計算してみて下さい。そして、自社ライバル店(気になる店)と比較してみましょう。
勿論、金額が大きい方が生産性が高いということです。

〔人時売上高〕は、部門ごとに異なります。また、一般的に売上規模が大きい方が金額が大きい(生産性が高い)傾向があります。
他社との比較は、その運営内容の分析が必要ですが、その差異(相手が高い場合は特に)の理由を分析すべきでしょう。その場合、粗利益率の違いを確認しましょう。

ここに参考までに、あるスーパーマーケット企業の基準〔人時売上高〕を紹介します。(販売方法、店内加工作業の有無等によって金額が異なります。)
自社の基準値(目標値)を設定して運営出来る体制整備が目標です。

<スーパーマーケットの人時売上高(例)>
※数値は、参考程度に考えて下さい

* 店舗トータル(1日の平均売上高別)
⇒日商300万円規模の店・・・・〔人時売上高〕12500円
⇒日商400万円規模の店・・・・〔人時売上高〕14500円
⇒日商500万円規模の店・・・・〔人時売上高〕16000円
⇒日商600万円規模の店・・・・〔人時売上高〕17000円

* 部門別
<グロサリー部門>
⇒月商4500万円(日商150万円)・・・〔人時売上高〕30000円
⇒月商6000万円(日商200万円)・・・〔人時売上高〕35000円
⇒月商7500万円(日商250万円)・・・〔人時売上高〕38000円
⇒月商9000万円(日商300万円)・・・〔人時売上高〕41000円
<青果部門>
⇒月商1100万円(日商37万円)・・・〔人時売上高〕15000円
⇒月商1500万円(日商50万円)・・・〔人時売上高〕17000円
⇒月商2000万円(日商67万円)・・・〔人時売上高〕19500円
⇒月商3000万円(日商100万円)・・・〔人時売上高〕22000円
<畜産部門>
⇒月商1100万円(日商37万円)・・・〔人時売上高〕15000円
⇒月商1500万円(日商50万円)・・・〔人時売上高〕16500円
⇒月商2000万円(日商67万円)・・・〔人時売上高〕18000円
⇒月商3000万円(日商100万円)・・・〔人時売上高〕21000円
<水産部門>
⇒月商1100万円(日商37万円)・・・〔人時売上高〕12000円
⇒月商1500万円(日商50万円)・・・〔人時売上高〕14000円
⇒月商2000万円(日商67万円)・・・〔人時売上高〕15500円
⇒月商3000万円(日商100万円)・・・〔人時売上高〕18000円
<総菜部門>
⇒月商600万円(日商20万円)・・・〔人時売上高〕6000円
⇒月商800万円(日商27万円)・・・〔人時売上高〕7000円
⇒月商1050万円(日商35万円)・・・〔人時売上高〕8000円
⇒月商1550万円(日商52万円)・・・〔人時売上高〕10000円

〜③おわり〜

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